ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

ビルマの動画を見て

 2月1日のビルマミャンマー)の軍事クーデターから10日が過ぎた。国内外で抗議行動が続いている。日本に住むビルマの人々も連日声を上げている。
東京では、渋谷の国連大学前(1日)、外務省前(3日)、高田馬場駅・平和の女神像前(6日)、品川のビルマ大使館前(7日)に、多くの人々が集まった。昨日(11日)・今日は再び国連大学前での集会が予定されている(以下のHP参照)。

2021年 | 東京のミャンマー | バダウ ~ミャンマーよもやま話~

 ビルマ国内では人々が街頭に出て、毎日軍事政権と向き合っている。
 ひとつ興味深い動画を見た(セキ ヤスヒサさん 2月10日付Twitterより)。抗議する人々と警察が対峙していて、人々に向けて警察側の車両が放水している様子が映っている。すると、一人、二人と警官が持ち場を離れて、抗議している人々の側に入っていき、持っていた盾を放水を続ける警察側に向けたのだ。これを引き戻そうとする警官、そうはさせじと「盾」になって彼らを守ろうとする人々——ドラマか何かを見ているような展開だ。
 立場上、権力側にある人であっても、正義がない(と思う)ことに反対する人がいるのは当然のことだ。日本も例外ではないだろう。

https://twitter.com/Campaign_Otaku/status/1359279430833610754


 もし、日本が「例外的」だとしたら、それは権力側から身を転じた人を守ろうとする “気概” の問題なのではないかと思う。そうした “気概” をもつ人がいないことは断じてない。確かにいると思う。だが、少ない。というか、多くは「様子見」をする。風向きや空気をうかがう。“みんな” がやれば自分もやるが、そうでなければ黙っている。……インターネットの小道具が増えて、ある意味、「意思表示」のハードルは低くなっているかもしれないが、“勢い” だけでは “気概” にはならない気がする。

 昨日、オリンピック組織委員会森喜朗会長が辞任し、後任には川渕三郎氏が就任する見込みだと伝えられた(なぜ、副会長が昇格しないのか。こういうときのための副会長ではないのか)。森を辞任に追い込んだのはもちろん世論の圧力だけではない。スポンサー、IOC、小池百合子?……。何が「決定打」になったのかは本人に聞かないとわからない。しかし、“ みんな“ が「辞めろ」と言わなければ、「組織」は森を会長に据え続けて「馬耳東風」だっただろう。今回何が問題だったのか、どうして批判の声が噴出したのか、森本人はもちろんのこと、「組織」も何も理解していない(理解しようという気もない)。問題は、世間が騒いだこと、その処理対応を誤ったこととでも思っているかのようだ。彼らにしても “気概” があるわけではないから “勢い” まかせなのだろう。 “気概” は世界に通じるが、 “勢い” は内輪のことで済んでしまう。

 後任の川渕氏にも「適性」を疑わせるような指摘が多くあるが、まだよくわからない。森ともども、今日何を話すか、注視する。

 それにしても、小生も世間が狭いが、日本の政府や組織体のムラ社会ぶり、視野の狭さには辟易する。



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