ふだんフジテレビは見ないが、昨晩はたまたま家事の合間に「THE MANZAI」の冒頭を見た。アンタッチャブル、相変わらず笑えるなあ、とか、ミルクボーイ、今日はいまいちだったなあ、とか……何人か見て、終わりにしてしまった。あとで、ウーマンラッシュアワーの「お約束」ネタを見逃したことに気づいたが、ありがたいことに、もう動画がアップされている。感謝、感謝である。
暇なことをするようだが、文字に起こしてみる。動画で見た方が何倍も笑えるが……。
SHIN∞1🌏 on Twitter: "THE MANZAI2020
『ウーマンラッシュアワー』
最初の部分だけですが、字幕つけてみました(´∀`)… "
村:お客さんの人、若いのでね、今日は「桜を見る会」の話をしましょう。
中:興味ないやろ。
村:興味ないから、あ~いうことになってるんでね。
中:確かにね。
村:「桜を見る会」、前回の安倍政権がですね、国の文書、公文書というのをシュレッダーにかけてしまったんですね。
中:確か、そうそう。
村:参加者の名簿をシュレッダーにかけたわけですね。多くの国民は怒りましたね。
中:確かに。
村:それに対して、一生懸命かばう奴らがいるわけですね。安倍政権の支持者が、それ一生懸命かばうわけですよ。
中:支持者。
村:「それくらいいいじゃないか、許してやれよ」と。彼らも安倍政権のこと、信じてるから、彼らが公文書、改竄しようが、公文書、シュレッダーにかけようが、一生懸命かばうわけなんですね。
中:なるほどね。
村:そいつらが俺のこと嫌いでね。俺がふだんから安倍政権のことワァーッと言ってるから。俺のことが嫌いで、ふだんからSNSで攻撃をしかけてくるのはそいつらなんですよ。
中:わぁ~。
村:この前もSNS、そうですよ、パッと見たらですね、「村本、地獄へいけー」みたいなね。
中:地獄ぅ?
村:書いたわけですよ。俺は思ったわけですよ。「地獄」というのはGo to 、対象ですか、と思ったわけです。
中:対象ならへんよ。無理無理。
村:対象じゃないんですか? Go to であの世にいくのは税金つかわれないの?
中:無理無理。
村:絶対つかわれますよ。だって、中曽根さんのね、葬式が1億円の税金がつかわれたから。あの世ではGo to の対象だと思うんですけどね。
中:ない、ない、無理なのよ。
村:だってね、こんなことバーッとツイッターでケンカしてて、書いてたんですね。めんどくさかったからツイッター削除、消したんですよ。
中:削除?
村:何て言われたと思います。「村本がツイッター削除して逃げやがった」と言うんです。ちょっと待ってくださいよ。安倍政権が公文書シュレッダーにかけたことは許して、お笑い芸人がツイッターを削除したことは許せない?!
中:確かに。
村:もう一回言わしてください。“安倍政権が公文書シュレッダーにかけたことは許して、一お笑い芸人がツイッターを削除したことは許せない?!”
中:まあまあまあ、わかる、わかる。
村:もう一回だけ言わしてください。
中:まだ言うの?
村:“安倍政権が公文書シュレッダーにかけたことは許して、お笑い芸人がツイッターを削除したことは許せない?!” わかったことは一個だけやけど、俺のツイッターは公文書より上だ!
1970年代80年代だったら、別に何ということもない風刺ネタだと思うが、2020年代の今はこれが「希少種」のような言われ方をし、加えて、攻撃(迫害)されるというのだから、隔世の感がある。左に立つ“ウーマン村本”(あえて敬称はつけない)は今月『おれは無関心なあなたを傷つけたい』というエッセイ本を出すという。12月6日付「ダイヤモンド・オンライン」に彼の言葉があった。一部引用してみる。
なぜ、ウーマン村本大輔は「THE MANZAI」でメッセージを発信し続けるのか? | おれは無関心なあなたを傷つけたい | ダイヤモンド・オンライン
……忘れられない光景がある。
ある日、ライブに遅刻してきたやつがいた。なぜかそいつは喪服を着ていた。目は腫れていた。聞けば昨日、親父が自殺したそうだ。葬式後に、喪服で舞台に来た。そこまでして舞台に来たかったのか、そのとき出ていた先輩が怖くて休めなかったのかはわからない。
ライブのトークコーナーで、彼がカラ元気なのがわかった。誰よりも明るいやつだったから、無理しているのはすぐにわかった。
そのときに誰かが「全然元気ないやん! なんかあったん?」と聞いた。彼に何があったかは知っていたのに。
すると彼は、全力で「知ってるやん! 親父死んどんねん!」と返した。誰かが「寿命?」と言うと、「自殺や! まだ60歳や」と返した。さらに誰かが「お前のスーツおかしくない?」と言ったら、彼は「喪服や! ここまでの流れ聞いてたら、大体わかるやろ」と突っ込んだ。
そこから、彼の父親いじりが始まった。彼はずっと「お前ら最低やな‼」と突っ込んでいたが、すごくうれしそうな顔をしていた。
最初は引いていた客席からも少しずつ笑いが起き、最後には彼が「時間が来たから締めるぞ!」と進行用のカンペをポケットから取り出そうとしたら、間違えて数珠が出てきて「あ、数珠やった……」と天然を発揮し、客も芸人も転げ回って涙を流して笑った。
そのライブ終わり、楽屋で彼は芸人たちに「ありがとう、楽になったわ」と言った。みんな何も言わずに彼の肩をポンとだけ叩いた。みんな優しかった。僕は、笑いが苦しんでいる人を救う瞬間を見た。
笑いとはそういうことだ。誰かの痛みを和らげる。たとえば、民主主義は多数決で決まる。民主主義が機能しているとすれば、国は多数がつくっているとするならば、国の痛み止めはその多数のほうに傾く。ならば、痛みを感じる少数に芸人がふれて、笑いで痛みを和らげてやればいい。
<以下略>
人を笑わせる芸人さんたちはいつもすごいと思っている。泣くことが悲しみを浄化するように、笑いにもそういうところはあると思う。
……いやいや、そんな「難しい話」ではなくて、政治家を笑い飛ばして溜飲を下げるなんて、当たり前のことのはずである。
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