ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「俺は酔ってねぇよ」 女川原発、防衛大のこと

 宮城県村井嘉浩知事が11月11日、女川町の須田善明町長と石巻市の亀山紘市長との三者会談を経て、東北電力女川原発2号機の再稼働容認の意思を明らかにした。2日前(9日)の市町村長会議では3人の町長が反対を表明していたが、村井知事は結論を「三者会談」に委ねるよう求めていた。原発再稼働には地元同意が必要であり、これで女川原発は再稼働の大きな条件をクリアしたことになる。

 会見で村井知事は「事故が起こる可能性はある。事故があったからダメとなると、すべての乗り物を否定することになる。」と述べた。これは2011年以前に原発推進者が繰り返してきた言い分だ。しかし、そんな類比はもう通じない。電車やバスの事故によって広域住民がまるごと避難し、長い年月にわたって地元に戻ってこられない、そんな例があっただろうか。被災者の生活が「再建」された事実をもって主張するならまだしも、事故後9年たっても4万7千以上の人が故郷に戻れていないのだ。

 以下、朝日新聞デジタルの記事。

村井知事、再稼働を支持「事故がダメなら乗り物も否定」:朝日新聞デジタル

女川原発再稼働 3町長は「反対」 結論は3者会談へ:朝日新聞デジタル


 これとは別に、防衛大学校横須賀市)では、11月7日、学生1人が新型コロナに感染していることが発表された。しかし、その後、感染者は数十人に急増していて、規模の大きい「クラスター」となっている可能性があると伝えられている。
 防衛大は全寮制で、約2000人が敷地内の学生舎で寝食をともにし、学生は8人単位の居室で生活しているため、“密”が避けられず、いったん感染者が出れば大規模な感染に拡大することは、かねてより指摘されていた。そんな中、学生たちを学内の寮に留め置くのではなく、親元に帰すよう進言していたある医官が、8月1日付で自衛隊中央病院へ異動させられたという。

 11月11日付NEWSポストセブンの記事。

【速報】防衛大で大規模クラスター発生か コロナ対応に課題|NEWSポストセブン

<前略>
 もともと、防衛大ではコロナ対策が適切だったのかが問題化していた。4月から5月にかけての緊急事態宣言下では、全国のほとんどの大学がオンライン授業を行ない、いまも多くの大学で対面授業の再開は限定的な状況だ。しかし、防衛大ではシステム上の理由からオンライン授業を行なうことができず、授業も訓練もないなかで、学生たちが敷地内の寮に“軟禁状態”とされてきた経緯がある。密を避けがたいストレス過多の寮生活が続いたことで、学生たちの脱柵(脱走)や自殺未遂、年度途中での退校者が相次ぎ、賭博行為なども発覚した。防衛大関係者が語る。
「防衛大の内部にも、コロナ対応がおかしいと進言する人はいました。衛生課に所属するA医官は、新型コロナの流行初期に感染拡大を懸念し、学生たちを学内の寮に留め置くのではなく、親元に帰すよう進言していました。しかし、幹部に聞き入れられることはなかった。その後の学内での混乱や今回のクラスター発生を考えれば、進言は非常に適切なものだったわけですが、國分良成学校長ら執行部の方針に反する意見を口にしたA医官には、8月1日付で自衛隊中央病院への異動が言い渡されたのです」
 A医官は学内職員向けに「産業衛生ニュース」と題したニュースレターを発信しており、異動の直前にあたる7月21日付のニュースレターでは、〈新型コロナや余りにレベルの低い衛生課の現状を改善しようと2年頑張るつもりでいましたが、学校人事権者の意向でこのような結果となりました〉などと不本意な異動を命じられた経緯を明かしている。
「A医官は、医務室などでの感染症に対する隔離措置が適切になされていないという問題意識も持っていて、その改善に取り組もうとしていたが、異動で果たせなかった。ニュースレターではそのことについても、〈(改善策を)マニュアルの形で提供する予定でしたが、今月中に完成できませんでしたので、計画中止といたします〉と無念を滲ませていた。今回、陽性と判明した学生らは、まさにその医務室のある棟に隔離されている。残念でならない」(同前)

 異論を口にした人間が異動を命じられる一方、宴会や会合への参加を厳に慎むよう求める防衛大臣通達に反するかたちで、國分学校長を含む複数の防衛大幹部が10月に飲酒を伴う数人の会合に参加していたことが発覚。現場の教官からも疑問の声があがっている。
 政治外交史、軍事史の専門家として高い評価を得ている等松春夫・防衛大学校教授(人文社会科学群国際関係学科)が、一連のコロナ禍対応をめぐる不祥事を告発する「申立書」を岸信夫・防衛相および防衛監察本部に対して送付していたことを11月10日付で本誌(NEWSポストセブン)がスクープしている。
「大臣に対して実名で“告発文”を送ったのだから、等松教授も相当な覚悟を持って行動に出ている。コロナ対応の誤りによって学生の自殺未遂や脱走、退校者の急増などを招いた防衛大執行部の総退陣を求める内容だといいます。防衛大のお粗末なコロナ対応を裏付けるようなかたちでクラスターが発生したこともあり、本省が等松教授の告発にどう対応するのか、関係者の注目は一層、集まっています」(前出・防衛大関係者)


 これは「走り出したら止まらない」―—というより、「飲んでるときに酔いを醒ますようなことを言うな」という主観的(利己的、保身的)願望といった方が近いかも知れない。酔ってる人に「酔ってるでしょ」と繰り返すと、「俺は酔ってねぇって言ってんだろ」などと怒り出す。人間、事実を指摘されるとムキになるものではあるが……。

 晩秋から本格的な冬を迎えつつあるこの時期に、今まで諸外国に比べて何となく抑えられているように見えた国内のコロナ感染者数が大幅に増加してきている。小生、一昨日、診療のついでにインフルエンザの予防接種を受けたが、前後にも同年代くらいの方々で予防接種をうけている人がいて、みんな警戒している様子が見て取れた。こうして「自助」はしているつもりだが、肝心の「公助」の方は大丈夫なのか、本当に心配になる。「酔っ払い運転」だけは止めてほしい。



 
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