ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

河井裁判・第21回公判 ネット業者の供述調書

 「ネガティヴ・キャンペーン」って、やるもんなんだな。しかも、自民党候補が自民党候補を攻撃するとは!
 19日の河井案里被告の裁判で、夫の克行被告の指示を受けたインターネット業者が、同じ自民党候補の溝手顕正氏のイメージ悪化をはかるため、ブログ投稿を繰り返していたという主旨の供述調書が読み上げられた。「攻撃」は溝手候補に対してだけで、野党の森本真治氏に対する「攻撃」の指示はなかったという。アベシンゾーは広島選挙区から自民党を二人当選させたいなどと言っていたが、最初から溝手氏を落選させるつもりだったわけだ。同じ自民党なのに!

 また、克行被告からパソコンの「買収リスト」を削除し、復元できなくなるようにと依頼された業者による、証拠隠滅工作の生々しい供述も明らかとなった。これが法務大臣だからなあ。誰が任命したんだ!

 以下、中國新聞10月19日付記事からの引用。

ネット業者供述調書<1>克行被告「流出したらまずいもの消したい」 | 中国新聞デジタル

ネット業者供述調書<1>克行被告「流出したらまずいもの消したい」

 【検察側が読み上げたインターネット業者の供述調書】

 インターネットとコンサルティングの業者の代表取締役として昨年11月ごろに克行先生から依頼されて、パソコンデータを復元不可能な状態に消去しました。私の経歴は大学を卒業後、衆院議員の秘書を務め、コンサルを経て、2015年から代表取締役をしています。インターネットやSNS(会員制交流サイト)のコンサル業務をしています。16年ごろから知人の選挙プランナーから紹介を受けて、克行先生と知り合いになりました。インターネットやSNS対策を業務にしています。克行先生にネガティブな書き込みがあれば、検索に表示しにくくする、逆にポジティブなことを表示しやすくして、イメージを良くする、そのような業務をしていました。17年秋の衆院選では、克行先生の依頼で選挙に通りやすくなるようなSNS上の工夫をしたり、対立候補のイメージを悪くしてネガティブな記事の工作をしたりしていました。参院選では案里さんのイメージを向上させるようなウェブサイト、SNS、ネガティブ記事の対策を講じていました。克行先生から(参院選広島選挙区に立候補した)溝手(顕正)先生のイメージを悪くするよう言われ、溝手先生のネガティブな記事を投稿していました。架空の人物を名乗り、ブログを書き込み、溝手先生や県連が案里さんをいじめるようなことをしていると、克行先生に確認して記事を投稿しました。私の独断で投稿しているのではなく、具体的な内容は克行先生に指示されていました。ブログの内容も指示を受けました。同じ参院選広島選挙区に立候補した森本(真治)先生をインターネットでイメージを悪くする記事を書くよう依頼はありませんでした。

 昨年11月、データ消去の作業をしました。週刊誌などで選挙違反があったと報じられた後の11月3日のことですが、東京・赤坂の衆院議員宿舎に克行先生から呼び出されて、克行先生に会いました。11月3日午後4時半と携帯電話のカレンダー履歴にあります。この時の克行先生は一連の報道が出て、やたら焦っていて困っている感じでした。スタッフがデータを持ち出して、記者に渡した、いつ持ち出されてもおかしくない状況で、データを記者に流している。今後も外部に漏れることを恐れていました。どう保存しているかと聞くと「ドロップボックスに保存し、議員宿舎議員会館安佐南区の自宅マンションの3台のパソコンで同じデータが見られるようにしている、クラウド上で同期されている」と言っていました。ドロップボックスのIDとパスワードがあれば、誰でも見ることができると言うと、「ドロップボックスの使用は駄目だ。外部に流出したらまずいものを消したい」と言われました。ファイルをごみ箱に入れて、ごみ箱を空にしても、インデックスデータ自体は空き容量に復元される。ハードディスクに保存が残っている。私は専用のソフトを使えば(消すのは)簡単ですよと言うと、「じゃ、それ買ってきてよ」と言われました。近くの家電量販店に買いに行きました。携帯電話でアプリのポイントの履歴があるので、間違いありません。11月3日4時57分、ソフトを買いました。このソフトは完全に消せるソフトでした。

ネット業者供述調書<2>言われたようにロックを解除、無人の事務所へ | 中国新聞デジタル


ネット業者供述調書<2>言われたようにロックを解除、無人の事務所へ

 議員宿舎の部屋に戻り、デスクトップにインストールしました。同期されるフォルダーに保存していましたので、USBや外付けハードディスク上で編集すれば、持ち歩けばどこでも使える。安全にできると教えました。あらかじめ手書きメモをもらいました。デスクトップのフォルダーのシュレッダー機能を操作して、教えました。1枚目は事務所全体のスタッフ、2枚目は給与別一覧。克行先生は紙を見ながら、私に教わりながら作業しました。克行先生が消したと思って間違いありません。(削除する)手書きのリストはA4判で4、5枚なので、フォルダー全てではなかったのだと思います。ドロップボックスはエラーが出て失敗しました。シュレッダー機能でデータを上書きすることで復元できなくなるやり方を教えました。ハードディスクに上書きをして、議員会館の事務所、広島の自宅にあるパソコンのデータも同じように消してほしいと言われました。「週刊誌の記者に張られているので、議員会館に行けない」と言ってきました。議員会館の暗証番号、通行IDと自宅の鍵を預かりました。ファイル名を渡されて、パソコンのドロップボックスにあるのを消去してほしいと頼まれました。克行先生の議員会館に向かいました。11月3日に議員会館を訪れ、克行先生に言われたようにロックを解除して無人の事務所に入りました。パソコンを消去するため、ソフトをインストールし、ドロップボックスのファイル名を手書きのメモと見比べると、議員会館のパソコンにも記録されていると分かりました。11月3日に「あんり参議院議員選挙’19」は消されていると検察官に聞きました。多くは同じファイルで作成されていると思いました。私に渡されたリストがありました。手書きのリストが汚かったので、面倒な作業と思いました。宿舎のドロップボックスでバックアップを取って、議員会館のデータを全て消して構わないだろうと、全てドロップボックスを通常に消して、全て消せばいいので、克行先生に電話して、いずれにせよ、ファイルは個別ではなく、全データを消去するように切り替えました。この時の作業で個別に消すのをやめたので、本当はもっとあったと思います。克行先生の過去の記録もありました。翌日結果を確認しました。

私は克行先生の自宅のデータを消すため、11月3日のうちに東京から新大阪に移動し、その日は新大阪で泊まりました。翌朝の11月4日、新幹線に乗って、広島に向かいました。ソフトを忘れたと思い、広島駅近くの家電量販店でもう1台買いましたが、持っていました。私は2台のソフトを持って、自宅に着いてインストールをしました。
 同期フォルダーがあり、個別のフォルダーをまるごと消去するという方法で同期フォルダーの完全消去の作業をしました。安佐南区から空路で東京に戻ろうとしましたが、結局新幹線で戻りました。東京駅から議員会館に行くと、消去は丸一日かけていたのでもう終わったと思ったのですが、まだ終わっていませんでした。すぐに終わらず、中止させて克行先生に電話して、ハードのバックアップを取って作業をしてほしいと言いました。家電量販店で外付けのSSD(ソリッドステートドライブ)を購入しました。SSDを持って宿舎に行き、克行先生に会い、IDと鍵を返しました。経費の代金を11月4日に克行先生から現金でもらいました。広島市内の事務所のパソコンのログをクラウドで監視できる「ISSクラウド」を導入してほしいと言われました。ログをクラウドで監視できるのは楽に設定できます。それだけではなく、その間に復元できないようにしてほしい、ソフトで消去してほしいと頼まれました。

 12月7日、自宅の横浜市から羽田空港のスケジュールを見て、12月7、8日に(公設秘書の)藤田さん、前田さんが立ち会って、克行事務所で7、8台、案里事務所で3、4台のパソコンでインストールして上書き保存して完全消去していきました。メールデータも削除してほしいと頼まれたのですが、個別データは作業に時間がかかるため、知人にやってもらいました。12月8日に東京へ戻りました。一連の報酬として自民党広島県第3選挙区支部から約82万円をもらいました。


 関係ないが、スガも自著で“証拠隠滅工作”してるしな。ベトナムでは「ASEAN(アセアン)」を「アルゼンチン」と“読み”間違えたり、「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」を「カレッジ」と“読んだり“……。「随所に独自のスガカラーを示したように思う」とNHK記者。嫌味で言ってるわけでもないだろうが、こんな間違いをするのは確かにスガだけかも知れない。

 こうやって、ありえない政治をみんなでグルになって担ぎ、甘い汁を吸うのが「アベ政治」なのだ。これを継承するとは、世界に国恥をさらすこと。“悪夢のアベ政治”は実に手ごわいことを痛感する。



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