ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

小麦と除草剤 グリホサート “不都合な真実”

 前にニュージーランド産の蜂蜜から発がん性の疑いがある農薬(除草剤)グリホサートの成分が検出されたという報道があることに触れたが、Twitterを眺めていたら、輸入小麦アメリカ、カナダ、オーストラリア産)の大半にこの成分が残っているため、日本国内で売られている小麦製品(パンや菓子、麺類など)の広範囲に残留が確認されていることを知った。……というか、正確には、前からそれらしい情報は耳にしていたのだが、あまり気にしてこなかった。たまたま自分がブログに「蜂蜜と除草剤」の記事を書いたので、意識して調べる気になったというところ。

 調べてみると、昨年の3月に「農民連食品分析センター」が日本国内で販売されている小麦粉やパン、パスタなど小麦製品の農薬残留検査を行い、そのほとんどからグリホサートが検出され、ネット上に関連する記事がいろいろと現れていることがわかった。今さらながら自分の無為と無知を恥じている。

 それにしても、なぜ、微量とはいえ、小麦から除草剤の成分が出てくるのか。トウモロコシや、大豆、菜種等は、遺伝子組み換えによって除草剤のグリホサートを撒いても枯れないように品種改良されているが、小麦は遺伝子の組み換えが認められていないようなので、グリホサートを撒いたら小麦自体が枯れてしまう。ところが、アメリカ、カナダ、オーストラリアでは小麦を収穫する前に、あえてグリホサートを撒いて小麦を枯らし、乾燥までの時間を調整したり、収穫時の手間を省いてるというのだ(「プレハーベスト処理*という。ポストハーベストで柑橘類に収穫後防腐剤が使われていることは知っていたが、小麦にプレハーベストとは……)。驚愕する話である。

*プレハーベスト処理」:収穫前の小麦に対してグリホサートを散布することによって、雑草を枯らし、機械作業性などが改善される。また、汚粒発生を防ぎ、品質向上が狙える。また、小麦の乾燥を加速・コントロールできるため、収穫タイミングを調整したり、収穫物の乾燥品質を均一化できるという狙いもある。

 これもまた“不都合な真実”のひとつなのだろうか —— こういうことは知らない方が「幸せ」なのかも知れない。しかし、これが根本的に誰にとって最も不利益で、誰にとって最も不都合なのか……などと考えてみると、黙っていること、忘れてしまうことにも躊躇する。

 食事や買い物の風景を変えてしまう「不幸な手紙」、気重な記事だが、ここに記録し、以下に参照資料を掲げる。


〇2020年1月「モジコのブログ、モジコログ」さんの記事「グリホサートが検出された小麦製品の一覧!商品名や種類ごとにまとめてみた!」
 グリホサートが検出された小麦製品の一覧!商品名や種類ごとにまとめてみた! | モジコのブログ、モジコログ

〇2020年4月20日一部修正公開、農民連食品分析センター「小麦製品のグリホサート残留調査1st」
 小麦製品のグリホサート残留調査1st

〇2019年4月12日公開、農民連食品分析センター「食パンのグリホサート残留調査」
 食パンのグリホサート残留調査




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