ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

河井事件第8回公判 総理大臣の関与

 9月15日に東京地裁で河井事件第8回公判が行われ、克行被告の公設秘書の証人尋問が行われた。しかし、肝心なのは、冒頭に読み上げられた「供述調書」の方だ。この「供述調書」では、アベ事務所の秘書がタクシーを借り上げて、克行被告の後援会「三矢会」の役員や世話人を「しらみつぶしに」回り、案里支援をお願いしたことが述べられている。どうしてこんなところにわざわざ総理大臣の秘書が出てくるのか。1億5千万の巨額選挙資金とともに、総理大臣の関与(肩入れ)を明らかにしなければならない。

 ところが、NHKなど主要メディアはこのことに一切触れていない。公判のあと、克行被告が弁護団の6人を全員解任したことが大々的に報道され、総理大臣が関与した部分は切り取られたまま流され、不問に付されようとしている。管見では、唯一この件を伝えている「中國新聞」9月15日付の記事から以下、引用する。

 おもしろいなと思ったのは、総理大臣秘書の影響力は絶大で、訪問を受けた後援会関係者はだいたいの人が案里候補の支援を約束したようだが、中には、「もう支援しない」という人もいたらしいということ。総理大臣を“ご威光”にしたやり方が反発を受けたということか。

 何でお前に総理大臣の秘書がついてくるんだ! ……というより、何で総理大臣の秘書にお前は連れ回されてるんだ! というところなのでは……。  


【詳報・河井夫妻事件第8回公判】(9月15日)秘書証言<1>総理秘書団が与えるインパクト大きい | 中国新聞デジタル


【詳報・河井夫妻事件第8回公判】(9月15日)秘書証言

昨年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で公選法違反罪に問われた前法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=と妻の案里被告(46)=参院広島=の第8回公判が15日、東京地裁であった。検察側は、克行被告の公設第2秘書光元博美氏の供述調書を読み上げ「安倍晋三首相の秘書が克行被告の後援会関係者をしらみつぶしに回った」と明らかにした。

【検察側による克行被告の公設第2秘書の光元氏の供述調書の朗読】

 私が使っているスマートフォンに残っている克行代議士とのやりとりの一部を紹介します。私は昨年5月11日、代議士から「安佐南区の(克行被告の後援会組織の)三矢会の役員・世話人回りは何人中、何人残っているの」と未訪問の人数を尋ねられました。私は、翌12日「205軒中、訪問したのは47軒です」と代議士に報告しました。
 同14日に代議士から「さらっとした口調ではダメですよ。とにかく真剣に心を込めて。ゆっくりと説明しなさい」と指示されるとともに「とにかく語尾を伸ばすな」と言われました。このように代議士は、訪問先の話し方まで細かく指示され、私は代議士の意向に沿った形で、三矢会関係者たちに投票を呼び掛けなければなりませんでした。
 ただ、私だけで三矢会の役員約200人を全て回るのは限界があると感じていました。当初は会計事務を担っていたので、外回りに出られるのは午前11時から午後5時ぐらい。日々の訪問先を決め、平均5軒程度しか回れませんでした。
 そのような中、5月23日、28日、30日の3日間、山口県内の安倍(晋三総理大臣)事務所の秘書が、タクシーを借り上げて安佐南区の三矢会関係者をしらみつぶしに訪問していきました。外回りに集中して最大60軒程度回れることができ、最も少なくても20軒程度回れました。私も随行しました。
 その時の三矢会関係者の反応について23日、代議士に対し「私が1人で訪問するより、話を多く聞いてくださる方が多いです。みなさん応援するとおっしゃいます」とメッセージを送りました。すると、代議士は私が指示通りに三矢会関係者を訪問しているのか、心配になったようでした。
 私に指示した通り、名刺を置いて帰りましたというと、その人から入電があり「もう支援はしない」と言われました。その訪問先も代議士の指示でした。代議士は、安倍総理の名前を借りれば支援をしてくれるのではないかと思ったのではないかと感じましたが、うまくいかないこともありました。総理秘書団が与えるインパクトが大きいと思いました。

※太字・下線  は当方が施したもの。






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