以前、自民党のある幹部が言い放ったという衝撃の一言を思い出した。調べてみると、コロナ禍最初のヤマの４月頃、討論番組で自民党・安藤裕衆議院議員の話の中で紹介されたもののようだ。安藤氏曰く、
「さっきもちょっと話に出ましたけど、自民党は冷たくなったよね、というのはまさにそのとおりで、私、損失補償は絶対にやらないと、粗利補償絶対にやらないと、企業みんな潰れますよ、という話をある幹部にしたときにですね（誰、その幹部って？）、『これでもたない会社、潰すから』と（一同驚きの声）。『潰すから』って、それはないだろう、と。いや、そうじゃない。やっぱりこれは、どんなに体力がある会社も、体力のない会社も、今はみんな救わなければだめなんだ、と。しかも、これ体力あるように見えても、今、全日空でも潰れそうになってるんですから。」
この話、自民党の議員が話しているというのにも少々驚く。４月の話とはいえ、今、次に総理になろうという人物が掲げるスローガンは「自助・共助・公助」だから。安藤議員の話は、「冷たい」自民党の中の良識のかけらか……。
らるー on Twitter: "安倍首相の動画より、さらに衝撃的な動画です。
安藤裕衆議院議員「補償やらないと企業潰れますよ」
自民党幹部「もたない会社は潰すから」 #安倍首相動画 #新型コロナ… "
千葉県の片田舎にはりついたような生活をしているので、だいぶ世間から疎くなってしまった。もう何年も電車に乗っていないので、千葉から向こうの都市部の様子も知らない。恥ずかしながら、長く改装工事をしていた千葉駅の改札口が変わったのを見ていないのだから（もう何年になる？）。
そんな井戸の中の蛙かあめんぼみたいな人間でも、ネットで「銀座インズ１の地下」の写真を見たときには、びっくりした。ほかの地下街はどうなってるのか？
そういえば、昔よく通った神保町のキッチン南海が６月に閉店した。キッチンジローも15店舗中、13店舗が閉店という。古本まつりですずらん通りを歩いたときに見てきた風景は一変しているということか。閉店の跡はどうなるのか。働いていた人たちは……。
コロナ禍に必要な補償をしぶるのは、こうして中小企業を潰して大資本（外資）を入れるという“売国政策”の現れなのかと疑う。今さらアベノミクスでもないが、「トリクルダウン」はほとんどなかった（←これもバカにした話である。おこぼれが来るのを口を開けて待ってろというのだから）。「トリクルダウン」はシャンパン・タワーをイメージしたものらしいが、そもそもシャンパンの注がれるグラスが均一だという前提がおかしい。上の方に積まれたグラスは伸縮自在か底なしのずんどうで、いくら注いでも外にあふれ出ないのである。そこに真横からコロナ・ショックの大風が吹きつけている。支えている下のグラスが吹き飛ばされれば上も崩落するだろう。「冷たくなった」自民党には、そういう想像は働かないのだろうか。この国で大企業が大企業だけでやっていけるはずがないではないか。この国の企業の99％は中小企業、従業員も7割は中小企業で働いているのだ。
