ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

不自由民主党

 自民党内で両院議員総会により次期総裁を選出する執行部方針に異論が出ている。党員でもないし、どうでもよいのだが、自民党の総裁が日本国の総理大臣になる限りでは、全く無関係とまでは言えない。

 選出に手間取って「政治的空白」をつくるわけにはいかないなどと、誰にでもわかるようなようなウソを言ってないで、ふつうに民主主義的手続きにしたがって総裁=代表を選ぶべきだ。一般党員が投票すれば石破氏が優位になるのは明らかだが、それをもって石破当選とはならないだろう。国会議員票をかなり取り込まなければ(そういう力学が働く「風」を起こさないと)石破氏の当選は現状ではかなり厳しいと思う。そんな票読みは執行部は百も承知だろう。執行部(というか老害連中)は、ただ菅氏が勝つのではなく、圧勝して次期総裁に選ばれるというシナリオを描いている。そのためには、先々回のように一般党員票で一番多かったのは石破氏だったということになると、菅のアベ後継としての正統性が揺らいでしまう。またまた民意を無視し、密室で取引して、自分たちだけで決めやがってと言われてしまう。それが心配の種なのでは……。

 党員投票を求める声は“意外”なほど強いが、国会同様の“強行採決”よろしく、このまま両院議員総会での代用で突破するらしい。何事もシナリオどおり、カンペに書いてあるとおりでないとダメで、総裁も菅氏以外はダメと決めたから、ダメ……と。あいかわらず不自由で非民主的な政党だ。

 朝日新聞デジタル9月1日付の記事より。

自民「簡易総裁選」に決定 県連などに予備選挙要請へ [安倍首相辞任へ]:朝日新聞デジタル


 自民党は1日午前に総務会を開き、辞任表明した安倍晋三首相(自民党総裁)の後継を決める党総裁選について、投票権を国会議員と都道府県連の代表者に限る「簡易総裁選」とすることを決めた。従来の総裁選と比べて地方の意見が反映されにくいことから反発もあったため、各都道府県連に予備選挙を要請する。総裁選の選挙管理委員会は2日に開催する。
 総務会に先立って開かれた党役員連絡会後の記者会見で、二階俊博幹事長は「政治空白は一刻も許されない。コロナウイルスの感染で国民が大変な不安に陥っているときに、積極的な対応を早急に講じていかなければならない」と述べ、全国の党員・党友投票を省略し、国会議員と都道府県連の代表で新総裁を決める「簡易総裁選」を選択する考えを明らかにしていた。
 総裁選は通常、国会議員票に加えて全国の党員・党友による投票を実施し、地方の声を反映する仕組みだ。このため「簡易総裁選」では地方の声を反映できないとして、党内でも反発は強い。小林史明青年局長ら若手有志は31日に二階幹事長に党員投票の実施を求め、145人の署名を提出。下村博文選挙対策委員長稲田朋美幹事長代行も「党員参加型の総裁選を」と訴えており、党幹部内でも意見が割れていた。
 岩手、山形、神奈川、岐阜、三重、滋賀、大阪、兵庫、鳥取、島根の10府県連も、党本部に党員投票の実施を要望した。
 総裁選の選出方法は選挙戦の行方を左右するだけに、各立候補予定者も強い関心を寄せていた。菅義偉官房長官石破茂元幹事長、岸田文雄政調会長の立候補が確実視されているが、党内の主流派閥から支持を得る菅氏に対し、石破氏は党内基盤が弱い。一方で石破氏は地方からの支持は厚いため、党員投票を省く簡易型の総裁選は「石破潰し」との見方も出ている。

<以下略>



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