ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

続 国会開くと1日3億?/「ひるおび」詳細

 7月31日昼に放送されたTBSの「ひるおび」の中で、コメンテイターである多忙な国際弁護士が「国会開くと1日3億円」とのたまわった件を8月1日のブログで書いたが、8月2日付の「リテラ」がこの件を詳しく取り上げている。小生は該当場面の前後を部分的に見ただけだったが、これを読んで、肩書・駿河大学客員教授と多忙な国際弁護士のタッグが、この日、いかに執拗に醜悪なコメントを垂れ流していたのかを再確認した。「やる気のない国会議員」に対する片山善博さんの最後の言葉は痛烈である。以下に一部省略して引用する。(※太字は当方が施したもの)

https://lite-ra.com/2020/08/post-5554.html

<前略>
 この日の『ひるおび』では、感染が再拡大するなかでのGoToキャンペーン問題や、コロナ対応を地方自治体に丸投げし国が一向に動かない問題などが話し合われていた。そんななか、元鳥取県知事の片山善博氏が菅義偉官房長官が緊急事態宣言を再び発出する状況にないと発言したことを批判した上、こう切り出した。
「もうひとつはですね、国会開かないって言うんですね。これはね、私、開きたくないんだと思いますけど」
 そして、政府が周囲から国会を開けと言われているのに、がんとして開こうとしない姿勢を、病院に行けとすすめられても、いろいろ理由をつけて病院に行こうとしない病人にたとえて、語り出した。
「たとえて言いますとね、(いまの日本は)“ちょっと体調悪いなぁ”から、だんだん悪くなったと。で、周囲の人から病院行きなさいって言われ始めたんだけど、『いやあ、血圧は高くて血糖値も高い、熱もあるんだけど、まだ頭痛はしないよね』とかね。なんかちょっと一縷いいとこだけ見出して、とにかくぐずぐずしてる。でも、(病院に)行ったときにはもう手遅れでした。こうならないようにしなきゃいけないですよね」
「国会を開いて、特別措置法はね、本当にちょっとにわか作りの議員立法なんですよ。議員立法を悪いとは言いませんけど、やっぱりちょっとね、粗っぽいところがあって、失礼ですけどずさんな、足らないとこあるんですよ。だからそれ改正しなきゃいけない。もう知事会から出てますよね。それから既存の感染症法とかも、もっと改正すれば使い勝手よくなるんですよ。そういうことを早くやらなきゃいけないんですけど、とにかく国会開きたくない。開かないための理屈をいろいろ屁理屈をこねている。そんな状態で、手遅れにならないようにと私は思います」
 何から何まで、片山氏の言うとおりだろう。安倍政権や自民党はようするに、国会を開いて、不手際や不正を追及されたくないために、「感染はまだたいしたことない」だの何だのと屁理屈をこねているにすぎない。
 この片山氏の発言にはM Cの恵俊彰も同調し、田崎氏にそれでも国の方針は変わりないかと田崎氏に問うたのだが、呆れたのはその反応だった。
 田崎氏は平然と「国の方針に変わりはないっていうのは、先ほど申し上げたように、感染者数に注目するのではなく、重症者数、ベッド数に注視しながら対策を打っていこうということですね、だからそういう意味でGoToトラベルキャンペーンも続けると。その部分のことです」と言ってのけた。
 恵は、緊急事態宣言は? 県をまたぐ移動は? GoToキャンペーンの東京以外の地域の除外は? と次々質問を重ねるのだが、田崎の答えは一貫して「国の方針は変わりない」「今のところ検討してない」「提案も出てない」というもの。
 感染拡大の危機も国民の声もまったく関係ないと言わんばかりの田崎の回答に恵は険しい表情で、八代弁護士に「どう思います、この国のスタンス」とふった。すると、八代弁護士はこんな驚愕の主張を展開したのだ。
「あのー、まあ、重症者とベッド数ということを基本に考えていこうという前提に立っているということであれば、私はわかります。一方で国会、本会議、衆参両院開くと一日に3億円ずつかかりますよね。ですから国会召集して開いて何を議論するんだろうということが明確にならないうちに、まだこの方針が定まらないうちに、闇雲に国会を開くよりも、その資金、別の用途に、医療資源に使ってもらうということも手でしょうし。ポイントポイントで国会開くべきだと思いますけれども、常に開いておけば、とにかく開きなさいということは、私はちょっと違うかなと」

<中略>
恵が「特措法の改正ということも含めて時間がかかるんでしょうけれど、それでも開く必要ない?」とあらためて確認すると、八代弁護士は「特措法の改正をするとしたらですね、まず、法案審議しなきゃいけませんよね。それで法案作って、それから法制局にかけて、それからやっと委員会にかけて、それから本会議ですよね。いま、本会議だけ開いても何もやることないんですよ。ですので、まだそこまでこの法律をどうすべきか煮詰まってない状況なのではないかなと思います」と自民党森山裕国対委員長の言い訳をなぞった。
 安倍官邸や自民党幹部が乗り移ったかのような物言いに呆れていたら、片山氏が、その代弁ぶりを喝破するようにこう言った。
「やりたくない人は、みんなそう言うんですよ」
 図星を突かれてバツが悪かったのか、「べつに僕、国会議員じゃないので、やりたくないわけでは全然ないです。法律を作るシステムっていうのは、そうなってるんであって。ただ開いてもお金がかかる事実は変わりませんよって言ってるだけです」とごまかしながら言い張る八代弁護士。
 しかし、片山氏はそんな八代弁護士の強弁に言いくるめられることなく、「法律を作るのに時間がかかるから国会を開いても無駄」「法律を作るシステムはそうなっている」という八代弁護士の解説を、こう切って捨てた。
「私はかつて霞が関で法律の改正何回もやってきましたけど、この種の法律改正は、あっという間にできます。それはもうね、霞が関がやる気になれば、すぐできます。だいたいね、やりたくないときに、やれ時間かかる、法制局がどうしたこうしたって言うんですけどね。そんなのまるっきり嘘です。信じちゃいけません」

<略>
 ぐうの音も出ない状態の八代弁護士に、しかし、今度は田崎氏がアクロバティック擁護に乗り出す。
「ですから、僕は片山さん、自治大臣の秘書官の時代から存じ上げてて、非常に優秀な自治省の官僚であった。でもその当時とはやっぱり今は若干違っていて、これ今、特措法の改正っていう場合、論点がいくつもあるんです。国と地方との関係をどうするか、で、これ私権を制限する話になりますから、どのへんまで私権を制限したらいいのか、さらに感染症法との関係、もう多岐にわたるんですよ。多省庁にわたる。だから作業は始まってるんですよ、改正作業は。でもかなり時間がかかりそうだってのが、今の実感なんですね」
「改正作業が進んで、先ほど議員立法だから若干ずさんな所もあるって(片山氏が言っていたように)、それもぜーんぶ直さなきゃいけないわけですよ。で、その原案を作るのに、法案を作るのに時間がかかると。法案を作った後に、国会に提出してそこで審議していただくわけですね。だから、いま国会開いても審議する法案ありませんよ」
 片山氏が官僚だった頃とは状況が変わっているなどと訳知り顔で解説し始めてみせて、続きは八代弁護士や自民党が言っていることとまったく同じことを繰り返したのだ。
 MCの恵はさすがに田崎氏と八代弁護士の主張がなんの説得力もないことに気がついていたようだが、そこは政権寄りの司会者。2人の安倍応援団に配慮して、「政権の説明不足」ということで話をおさめようとするのだが、しかし、八代弁護士や田崎氏は「やりたくないだけ」「騙されるな」と突っ込まれたのがよほど気に食わなかったのか、その後も、延々と「国会を開くのは時期尚早」「改正点がいくつもある」「法律の改正ってそんな簡単なものじゃない」と抵抗し続けたのだ。
 しかし、片山氏はその反論にもまったくひるまずというか、失笑しながらこう一蹴した。
「こんなのね、すぐできますよ。そんなね。だいそれた改正いらないんです」
「必要なことだけをプラクティカルにやればいいんです。しかもね、この問題はもうね、春から出てるんですよ、スタートしたときからね、知事会からも出てるし、私なんかも言ってましたけどね。やる気になったらね、春からですから、あっという間にできてるんですよ。いま、ダラダラダラダラしたのはね、やる気がないからですよ。この期に及んでもまだね、時間がかかる、やれ、国と地方との関係がどうだこうだっていうのは、本当にやる気がないからです。これが秋になって国会開いても、これどうなりますか、それまでに。その間、国会議員の皆さんみんなステイホーム。ときどき閉会中の委員会出てますけどね。ボーナスもらって、いま何やってんですかって。長期有給休暇です。こんな職種はないですよ、世の中に。みんな苦労してるのに。
 それでも2人は「いやー」「そんな簡単なものじゃない」などと苦笑するなどして、まるで片山氏の主張のほうがトンデモであるかのように印象付けようとしていたが、片山氏は全く意に介さず、「簡単です」「そんな難しいことでありません」とピシャリ、それでこの話題は終わった。

<以下略>




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