ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

千代田区長に見える「アベマネ」

 7月21日に、東京・千代田区が独自に、区民1人12万円(1カ月1万円を12カ月)を給付する方針だというニュースを聞いた。千代田区は、給付の財源とされる「財政調整基金(区の貯金)」が潤沢で、住民が相対的に少ないので、総事業費は約85億円程度におさまるという話。他の区民にはうらやましいかも……と思っていると、当の千代田区民から「やることがもっとほかにあるって! 看護師さんたちのボーナスとかさ……」(70代)とか「必要ない人もいると思うんで、一律というのは、あんまりピンと来ない」(60代)とか、意外に“正論”が漏れてくる。それにしても、何でこのタイミングで独自給付を決めたのかなあ、と思っていると、区長がマンションの部屋の購入をめぐって100条委員会で虚偽の証言をしたとして委員会から刑事告訴された、と。えっ? これは……と思っていると、これを受けて今度は区長が区議会を解散すると言い出す……。12万円は疑惑隠しだったのか?
 以下、7月29日付毎日新聞の配信記事より。

「前代未聞」 区長は解散通知、議長は拒否… 混迷続く東京・千代田区 - 毎日新聞

 区長は6月、地方自治法100条に基づく調査権限を持つ区議会企画総務委員会(百条委)の証人尋問に出席。この際にウソをついたなどとして、百条委は区長の刑事告発を求める議案を出し、前日の27日に可決された。
 区長は28日午後、予算特別委員会の休会中に議長室を来訪。持参した解散通知をその場で受け取るよう求めた。だが、議長は拒否して受け取らなかった。区長が立ち去ると「通知に法的効力はない。新型コロナウイルス感染の中での暴挙は許せない」と話した。
 地方自治法は議会で首長が不信任された場合に議会を解散できると規定している。区長は独自の解釈で、刑事告発の議案が可決されたことで「不信任を受けた」と主張した。
 議会事務局は、総務省への問い合わせも踏まえ、不信任決議がないうえ、不信任を議長から区長に通知していないとして「解散の効力は発生していない」との立場だ。
 区長は記者会見で、「議会との議論が建設的ではない。私と議会の関係をあるべき姿にするため、有権者に判断していただく」と主張。新型コロナ対策で区民に一括12万円の給付をする予算案については「私の判断で執行できる」と述べ、議会の議決を経ない専決処分で対応できるとの考えを示した。
 突然の事態に、区議の一人は「百条委を潰すための疑惑隠し」と述べ、ある区職員は「前代未聞の暴挙」と憤った。区議会は区長不在のまま、29日にも予算特別委員会と百条委員会を開く方向だ。

 アベ長期政権の空気の一端を千代田区長にも感じるのは穿っているかも知れない。しかし、似たところを感じる。「衆議院の解散は総理大臣の専権事項」というのは大ウソだと思うが、この“空気”を千代田区長も吸っているから、「不信任決議」がなくても自分の裁量で解散できる……かのように思えてしまう。それに、自らへの疑惑を晴らせなければ進退を含めて責任をとらなければならないのに、疑惑を覆い隠す“煙幕”に85億もの税金を注ぎこもうとする。これも「私物化」という意味で「アベマネ」に見える。100条委員会での虚偽答弁も同様。
 区政と国政はつながっていると思う。この邪悪な流れを反転させなければ国政も淀んだままだ。そういう意味では、千代田区議会には頑張ってもらいたい。今回はその応援ブログのつもりで書いた。

 千葉の田舎から見てます。「注視」ではありません。「応援」です。




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