ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「女帝」の次の一手

 『女帝 小池百合子』の著者・石井妙子さんが日刊ゲンダイに寄稿している。
 昨日の選挙で小池都知事は予想をはるかに超える大差をつけて圧勝した。これは、言われているような彼女のメディア戦略とか、忖度メディアの報道自粛とか、そういうのが理由というレベルを超えているのではないか。詳しくは他の人々の分析を待ちたいと思うが、いずれにしても、これで小池都政の2期目が決まったわけだ。
 しかし、石井さんが寄稿文の中でさらっと書いた一言が気にかかっている。小池氏が任期半ばで知事の座を投げ出すのではないかというのだが、実は小生も同じ予感がしている。
 アベ首相が、憲法9条改定が主=目的、それ以外はすべて従=手段と考えるのと同じで、小池氏にとっては総理大臣になるのが目的で、都知事はそのための手段(演習)に過ぎないとすれば、当然そのイスに固執するはずもない。都知事であることがプラスにならなければ、馬脚を見せる前に、早々に見切りをつけるだろう。情勢をにらみながら衆院議員への復帰のタイミングなど、身の振り方を考えるにちがいない(いや、もし、この秋、衆議院が解散されれば、電撃辞職だってやりかねない)。
 以下、石井さんの寄稿文の部分引用である(日刊ゲンダイデジタル 7月6日付)。※下線は当方が施したもの。

緊急寄稿・石井妙子 小池再選を生んだメディアの忖度気質|日刊ゲンダイDIGITAL

 午後8時の時報と同時に「小池百合子再選、圧勝」とテレビは型どおりに報じた。だが、圧勝というには熱の感じられない選挙ではなかったか。都民の大半が無関心、あるいは背を向けていたように思う。
 理由のひとつは選挙報道にあるのだろう。もちろんコロナの影響は大きい。だが、むしろコロナが政治利用されたと感じられてならない。小池都知事は「コロナ対策にまい進する」というポーズを常に取り、テレビ討論会への参加に消極的だったとされる。結果的にテレビ局は、討論会そのものを一度も開かなかった。なぜ、残りの候補者だけで討論会をし、報じなかったのか。
 一方で、現役の都知事である小池氏の会見は毎日のように、テレビで取り上げられていた。不公平であろう。小池氏がテレビ討論を嫌がったのであれば、その真の理由は、他候補からの厳しい質問に答える自信がなかったからではないか。他候補はテレビを通じて自己を主張する貴重な機会を小池氏とテレビ局によって奪われてしまったと言っていい。テレビ界出身の小池氏はメディア操作に長けており、また、テレビ局は常に現役の知事に対して忖度をする。前回は朝から晩まで延々と、ワイドショーで都知事選を報じ続けていた。こんなにも選挙報道に落差があっていいのだろうか。
 今後の4年間、都政のかじ取りは並大抵ではないはずだ。1兆円あった都の貯金にあたる財政調整基金は、小池都政下でほぼ使い果たした。高齢化と税収減が予測される中、財源もなく、どうやってコロナ対策やオリンピックの延期開催を進めていくのか。小池氏は財政を立て直す努力をせず、任期半ばで口実を見つけて、都政を投げ出してしまうのではないだろうか。彼女には国政への未練がある。……
<以下略>
 

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