ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

39度の発熱でも……

 都内の感染者数が100人/日を超え、それが隣接する県へもじわじわ拡大している。4月に「緊急事態」が宣言された頃は、感染者の世代差は小さかったというが、今は20~30代の「若者」が多数だという。7月2日付朝日新聞デジタルが、堀賢・順天堂大教授のコメントを伝えている。「以前は症状がある人が保健所を通じて検査をしていたが、今はホストクラブの従業員らが症状がなくても集団で検査を受けている。今回の100人超えは、4月と意味合いは違う」。「感染拡大基調であることは間違いない」。「20~30代がウイルスの運び屋になって、周りの世代に持ち出そうとしているのが今の段階だ。家庭内などで上の世代に広がる前に対策をとらなければ、手遅れになる」とのこと。この「運び屋」という表現には批判もあるようだが、「キャリア」や「無症状者」ならよいとも言えないので、まあ、あまり目くじらをたてないことにしたい。

都内感染「20~30代が運び屋」 医療現場には異変も [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

 さて、実は20代の小生の姪っ子が先月発熱して、体温が一時39度くらいになってしまい大変だった。味覚障害等の自覚はなかったようだが、県内都市部の職場へ電車とバスで通っている身なので、当然コロナの感染を疑う。地元の保健所に連絡すると、指定された総合病院へ行くように指示された。行ってみると、病院の中には入れてもらえず、敷地内に臨時に設置されたテント内で診察するが、すぐにはできないと、車の中で長時間待たされたあげく、新型コロナのPCR検査はできないと言われ、解熱剤を処方されたという。コロナかどうか不安なので、検査を受けられるところを教えてもらおうとしたが果たせず、結局薬を服用してしばらく様子を見ることになったという。熱が下がり回復するまで2週間近くかかったが、今は仕事に復帰している。職場も理解を示してくれてありがたかったとのこと。しかし、検査をしていない以上、“キャリア”かどうかも不明であり、家族にも感染の不安がないわけではない。介護中の父親が「感染」しても困るので、妹の家族も来宅を控えるなどけっこう気をつかっている。

 政府によれば、4月に「緊急事態宣言」を出した頃に比べると、今は検査体制が整い、医療の提供体制にも余裕があるというのだが、実際には、保健所や医師の判断がないとPCR検査が受けられない状況は変わっていない。都市部はいざ知らず、田舎のお寒い検査状況はあまり改善されていないのではないだろうか。しかも、万一感染が判明して噂にでもなったら、精神的にしんどい思いも覚悟しなくてはならない。
 初動に失敗して市中感染を拡げてしまい、緊急事態宣言で少しは抑えられたかのように見えても、どこに感染者がいるのか把握できなければ、経済社会が動いている以上、対策がもぐらたたきか泥縄になるのは避けられない。せめて検査をしっかりやってほしいのだが、いまだに世界から「遅れ」をとっているこの国の政治とは何なのだろうか。これはもう「人災」としか言いようがない。下に世界の主な国の検査数(1000人あたり)を示したグラフを引用する。

ourworldindata.org



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