ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

国難?

 年度が切り替わった。節目は節目だから、心新たに物事に向き合おうと思っている人は多いと思う。私は儀式とかが苦手な方だが、中には、今度の災難で「人生で一回きりのものごと」が中止になって気落ちしている方もおられるだろうなと想像する。

 さて、この状況にあたって、安倍晋三総理大臣の昨日4月1日の参議院決算委員会での発言とされるものをネットで拾ってみた。
*現状認識:「日本が戦後、経験したことのない国難とも言える状況だ」
*対処方針(現金支給):「国民全員に一律で行うのではなく、事業の継続のため、生活を維持していくために必要な額をできるだけ提供したい」
     (損失補填):「自粛はさまざまな分野に広くおよび、相当の件数になるので、それぞれを税金で補償をすることはなかなかできない」

 特に何かこれまでの方針を変えたという印象はない。しかし、ネットのブログなどを眺めていて、ある記事が目に留まった。IMF国際通貨基金)が各国のコロナ対策費用とその対GDP(国内総生産)比などを紹介しているというのだ。試しにIMFのホームページをのぞいてみた。日本語ではないから、辞書を引き引き読んでみたのだが、それによると、日本政府は2月13日、3月10日の2回、緊急経済対策を発表していて、その規模(合計額)は446億円(対GDP比 0.1%)だという。ほかの国はどうなんだろうか? 国によって感染の度合いや対策の重点が異なるので、単純に比較はできないが、比べやすいところを拾ってみると…。

*中国:1.2%  *韓国:0.8%  *国ではないが、香港:5.3%
アメリカ:今のところ0.5% 今後およそ10%まで
*イタリア:1.4%  *スペイン:0.7%  *ドイツ:4.5%
*カナダ:6%  *オーストラリア:9.7%  *ニュージーランド:5.4%

 こういうのを見たあとに、「速報!」、「速報!」…と「1住所(世帯?)に2枚、一回限り、何度でも洗って使える布マスクを送ります」と総理大臣が発表しました、と騒がれてもな…。ひょっとして、総理大臣のポケットマネーで「心を込めて」国民に送る(贈る!)ってことなのだろうか。多くの人が反応しているように、これは“エイプリル・フール”の悪いジョークにしか思えないのだが…。