ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

差別 偏見 不平等

「日本という牢獄」

葬儀明け。納骨まで終わって一区切り。葬儀に参列した方々が父親の遺影を見るとみな表情を緩めていたのが印象的だった。父親のお骨は足も腕もしっかりしていて、すんなりと骨壺に収まらないほどだった。長い間、本当に本当によく働いたと思う。安らかに休ま…

DaiGO氏と「心の災害」

「のら猫 寛兵衛」さんのブログを見ていて、メンタリストDaiGo氏なる人物の発言を知った。そういえば、この方、テレビで出演者の心理分析のようなことをしていた人だった記憶がある。ああいう人を「メンタリスト」というのかと、今日初めて知った。 問題にな…

LGBT法案とIOCのこと

昨日(5月30日)、東京・永田町の自民党本部前で抗議デモがあった。自民党が(政府方針や世論に反して?)「LGBT理解増進法案」の今国会提出を断念する意向を示したことを受けてのもの。LGBT「差別なくすための法律を」 自民本部前でデモ:朝日新聞デジタル …

「生き合う」世の中に

当初は大阪の小学校の校長が実名で、市の教育行政への「提言書」を市長に送ったことについて書くつもりだった。かつて学校で働いていたものとして、非常に共感し、感銘する内容だったからだ。 5月20日付朝日新聞デジタルより部分引用を許されたい。大阪市立…

LGBTと自民党 & 愛知リコール署名不正

数日前のブログに、「…知らぬ間にその「価値観」が「倫理観」や「道徳観」に置き換わって善悪の基準などに転化すると、これは「差別観」とどこがちがうのかと思えてくる。」と書いたら、その事態を目の当たりにすることになった。 自民党は昨日(5月20日)、…

入管法と難民認定のこと

もうだいぶ前の話だが、学校に勤めていた頃、受け持っていた生徒の中に南米(コロンビア)出身の女子がいた。夏休み中の保護者面談に父親が来ることになったが、日本語が話せないので、自分が通訳すると言う。それでは聞かれたらまずいことが話せなくなるな…

選択的夫婦別姓のこと

名前の文化は興味深い。日本の名前にも、出自をはじめ、いろいろとおもしろいネタが多いが、世界でも、たとえば、ビルマ(ミャンマー)の人には代々継承されるような姓がないとか(必要な場合、両親いずれかの名と自分の名が併用される)、ロシアだと、名(…

「丸川は旧姓ですよね?」

橋本聖子五輪担当大臣の後任となった丸川珠代氏は「男女共同参画担当大臣」も兼任する。氏はオリンピックの帰趨と同時にこの国のジェンダー問題にも取り組む立場にある。「男女共同参画」なる語はお役所言葉で普通の人はあまり使わない(「ジェンダー」も理…

森発言をめぐって 上野千鶴子さんの話

「Business Insider」にジャーナリストの浜田敬子さんが社会学者の上野千鶴子さんにインタヴューをした記事があり、興味深く読んだ。企業組織のあり方に話が及んだ後半の多くは割愛し、オリンピック組織員会の森喜朗退任の件をはじめ、前半を中心にいくつか…

森会長は身を引くべき

学校で働き始めた頃、現代の社会問題についてテーマごとによく生徒にアンケートをとっていた。生徒の意識を探るのが目的とはいえ、当時はまだ若く、生徒と年齢が近かったから 、世代差とか、“感性ギャップ“ のようなものはあまり気にしてはいなかった。むし…

オカシオ=コルテスさん 振り返り

12月25日付の「HUFPOST」でエディターの國崎万智さんが、2020年に性差別やジェンダーギャップなどに対する発信で話題になった女性政治家を4人挙げ、その発言を紹介しているが、1人目として、アメリカの下院議員アレクサンドリア・オカシオ=コルテスさんを挙…

国会議員のほぼ9割が男性の国

総務省によると、2019年10月現在で、日本の総人口は1億2,617万人。そのうち男性は6,141万人、女性は6,476万人で、女性の方が男性より300万人余り多い。 しかし、国会議員に占める女性の割合は,2020年2月現在,衆議院で47/465人(10.1%),参議院で50/24…

日大の差別抗議

日大のオンライン授業で講師による差別的な発言があったことが問題になっている。「黒人さんが暴れている」という発言と認識にはもちろん問題があるが、単発的な舌禍だったら、解雇を求めるという話にはならないだろう。この発言があったという講義を起こし…

「人種差別のない国」 小熊英二さんの話

『単一民族神話の起源』や『〈日本人〉の境界』などで知られる社会科学者・小熊英二さんのインタヴュー記事「「民族」を発明した国、人種差別は他人事か」を読んだ。 中で記者が「もし日本の学生から「日本は人種差別のない国ですよね?」と聞かれたら、どう…

「アスリートである前に一人の黒人女性です」

誰かが指摘していたことだが、テレビニュースでは今日の出来事や事件を伝えた後、「では、スポーツです」と話題を替える。たとえ、それまで重い話が続いていても流れが寸断されて(チャラにされて)、まったく次元のちがう話が始まるような感覚に誘われる。…