ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

コロナ禍

藤田省三『現代史断章』の冒頭から

学生の頃「政治学」のレポートか何かを書かなければならなくなり、ゼミの先輩と何を読んだらいいか雑談していたら、「あの(政治学担当の)先生は、丸山真男と藤田省三と松下圭一が好きなんだよね」と言われて、それがきっかけだったかどうか、藤田省三さん…

「医療崩壊」という現実

「〇〇崩壊」などと一言で済ませるのは憚るが、コロナ以後、この国の制度設計やシステムにかかわる深刻な問題が露わになってきているように思う。「崩壊」という語は、ガラガラと音を立てて何かが一気に崩れ落ちていく様を連想させるが、「医療崩壊」とか「…

1か月後、病院の風景は……

昨日は延び延びになっていた検査を受けるため父親を病院に連れて行ったのだが、びっくりするほど人が多かった。ここは病床のない小さな病院だが、検査の間様子を見ていると、医師も看護師も決して広いわけではない処置室にいる患者のもとをせわしなく往復し…

「大岡越前」の再放送を見て

千葉テレビで金曜と土曜の夜に「大岡越前」という時代劇の再放送をしていて、ついつい見入ってしまうことがある。2年ほど前に亡くなった加藤剛さんが大岡忠相役を演じているが、これが「はまり役」というか、子どもの頃から見ていたので、大岡と言えば加藤さ…

コロナ禍 通り過ぎるのを待つ日本人

ドイツ在住の作家、多和田葉子さんのインタビュー記事を見た。コロナ禍という危機に向き合うドイツと日本のちがいの描写が興味深い。コロナにうち勝とう、人間の手で何とか克服しようとするドイツ人に対し、日本人は、台風のようにコロナが通り過ぎるのを待…

コロナ被害と経済被害

「Go To キャンペーン」のドタバタや東京、大阪の感染者数の増加などのニュースばかりだと、コロナ禍が世界の問題であるという感覚が薄れて、ついつい日本のことばかりになってしまう(小生だけかもしれないが……)。もちろん国内の感染コロナを抑え込むこと…

「諸悪の根源」

井戸・兵庫県知事が7月9日の県の新型コロナウイルス対策本部会議の冒頭あいさつで、東京都を「諸悪の根源」と呼んだ。さすがに口を滑らせたと思ったか、「『諸悪』は取り消す。感染源は東京が多い」と直後に訂正、会議後には「東京に抑え込んでいただかない…

政府と国民の相互不信

コロナ感染者の数が増え続けている。7月10日(金)、東京都で243人、全国で計430人の感染の発表があった。一日の感染者が400人を超えるのは4月24日(441人)以来だという。「東京アラート」なるものを出していた1カ月前の東京では感染者数は50人にも満たなか…

東京女子医大 看護師400人退職希望 に寄せて

今日は、父親ではなく小生の2カ月に1度の通院の日。コロナ禍の中、受診者が減ったのかどうかわからないが、いつもより駐車場の空きが多く、待合室の人数も少ない感じがした。父親の通っている病院は発熱患者は一切受け付けないが、この病院は事前連絡の上で…

森永卓郎さんの提言

「のら猫寛兵衛」さんのブログを毎回楽しみにしている。その中で先回と今回続けて、ラジオ番組*での森永卓郎さん(経済アナリスト 獨協大学)の話が引用・紹介されていた。元音声にあたってみると実に興味深い内容だった。森永さんによると、現在コロナの第…

39度の発熱でも……

都内の感染者数が100人/日を超え、それが隣接する県へもじわじわ拡大している。4月に「緊急事態」が宣言された頃は、感染者の世代差は小さかったというが、今は20~30代の「若者」が多数だという。7月2日付朝日新聞デジタルが、堀賢・順天堂大教授のコメン…

コロナ関連でテレビ出演する専門家諸氏

医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんがTwitterに、新型コロナ関連でテレビ番組に出演している専門家諸氏の6月までの出演本数や報償、製薬会社との結びつきなどの一覧表を掲載している(作成者は医療ガバナンス研究所員?の山下えりかさんの名前になって…

今年4月の死者数は例年より1割多かったかも? 

日本経済新聞の記事らしいが、孫引きなので、出所は確認できていない。それにしても、これを見ると、大方の予想どおりというべきか、当局が新型コロナによる死者数を完全に把握していたかどうか、それは感染者数にも当てはまるが、発表されている数字に疑い…

コロナとの共生

ここのところ「政治問題(というよりも、政治家問題!)」にばかり焦点を当ててきた。小生は千葉県の田舎で暮らしているので、都会や都市部の緊張感に疎く、ネットでわかる情報くらいしか知らないのだが、最近、東京都市圏に在住する人が地方への「疎開」・…

この1カ月は何だったのか!

「彼ら」は、コロナのせいで景気が悪化した、それまでは景気は良かったと思っている。でも、そうでもない。 昨年9月末日、ひいきのガソリンスタンドが廃業した。所長には車の修理やら車検やら、いろいろと世話になった。10月から消費税率が上がるので、従業…

とりは神保さんの質問

昨晩(5月4日)安倍首相が記者会見をした。「延長」以外で何か新しいことを言うのかと眺めていたが、相変わらずのカンペ読みで、給付金の支給を早ければ8月と口走ったときには、「えっ!」と思った。さすがに質問時間の冒頭に(5月)8日のまちがいだと訂…

CNNの報道

今日も午前に定時の防災無線が流れる。「……健康増進課よりお知らせいたします。新型コロナウィルスの感染拡大を防止するため、不要不急の外出を自粛し、……『三密』を避け、こまめな手洗いをするなど、感染防止に努めるようお願いいたします」と。「非常事態…

学生たちにも支援を!

共同通信の昨日4月29日の配信記事によると、退学を考えている大学生が2割を超えているという。 記事によれば、「高等教育無償化プロジェクトFREE」が全国の大学生や短大生、大学院生らを対象に、インターネットを通じて調査を実施し、4月9~27日に回答があ…

小田嶋隆さんのコラム

小田嶋隆さん。自称「引きこもり系コラムニスト」。森本あんりさんの『異端の時代』(岩波新書 2018年)を読んだのをきっかけに、小田嶋さんが森本さんの同級生であることを知った。森本さんは別の著書『反知性主義』(新潮選書)の中で、小田嶋さんを次のよ…

“赤点”リーダーとその国

『アエラ』の最新号に、コロナ禍に向き合う各国のリーダーたちの“通信簿”なるものがあることを知った。まだ終息が見えない中で、こういうのはいかがなものかという気がするし、そもそも「結論」が見え見えである。それに、各国のリーダーを採点しているよう…

新型コロナの「遺伝指紋」

新型コロナウィルスは、その「遺伝指紋」から17ものタイプがあることが判明したと、アメリカ・ドレクセル大学のZhengqiao Zhao氏らがまとめ、4月7日に学術雑誌「bioRxiv」に掲載されたという。nazology.net 一見してわかるように、茶色が主流の日本は他国…

「アサヒノマスク」

「アサヒノマスク」とは変なネーミングだが、先日の記者会見で、安倍首相が朝日新聞記者からの質問に答えた際に持ち出した、洗って使える「高品質」のマスクのことらしい。「アベノマスク」と対になっているというのが製造側にとっては何とも“不本意”という…

アベノマスク疑惑

「466億円あれば生活支援を」と、かねてからマスク配布の撤回を求めていた福島瑞穂参議院議員が、「アベノマスク」の契約内容について質したところ、21日付で厚労省マスク班よりFaxにて回答があったという。以下に福島さんのTwitterからお借りして貼り付…

PCRの「健康観察票」

PCR検査にあたっては「健康観察票」なる調査用紙がついてくるらしいが、……。 これは確かに「労害」と非難される年代の人間が見ても驚く代物。記入させてどうしたいのだろうか? 廃棄?……。 孫引きになるが、下に貼っておく(Kenji Babaさん、Solaさん、お…

コロナ・ウィルスは人工?!

フランスのリュック・モンタニエ博士が、新型コロナウィルスは人工だとする論文を発表したことが波紋を広げているようだ。私は、とあるロシア語学習者のブログに、タス通信にパリ発のこんな記事があったとの紹介を見て知った。こういう噂は先月から耳(いや…

アベノマスク あれこれ 

共同通信の世論調査で76.2%が評価しないと答えている「アベノマスク」の配達が始まったらしい。東京・世田谷区あたりにはもう届いているようだが、うちは千葉県の田舎なので、まだまだ先の話かと思う。もっとも郵便受けに直接配達されるということなので、…

コロナ倒産の懸念

東京商工リサーチの公式アカウントを見に行ったところ、「新型コロナウィルス」関連倒産状況が掲載されていた。4月17日17:00現在で、全国で66件となっている。ちなみに先月の3月は12件なので、半月ちょっとですでに前の月の5倍超。これは今後深刻な事態が…

ワシントン・ポストの記事

『ワシントンポスト』は「日本はパンデミックのさなかに政府の国際的イメージ(悪化)を和らげるため2,200万ドル(23億円)の予算を確保」という記事を配信した。https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/japan-coronavirus-image-abe/2020…

ワクチンの開発

山中伸弥さんが新型コロナウィルスについて情報発信を続けているというのでHPを拝見した。4月14日付の記事は外国の報告や論文の内容を紹介したもので、「ワクチン開発の現状と見通し」と題されていた。 山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信 そん…

内田樹さんへのインタヴュー

内田樹(たつる)さん。「フランス文学者」という紹介もあるが、私の認識ではレヴィナス研究者(哲学者)・評論家。前神戸女学院大学教授。「街場の〇〇」シリーズで知られ、該博で鋭く、楽しい評論をされてきた。私もファンのひとりである。 たまたま見つけ…