ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

オピニオン

盛山文科大臣をめぐる記事

昨日の毎日新聞の「日曜くらぶ」に掲載されている2つのコラムに偶然同じ政治家のことが取り上げられていました。編集者的には、重複するのは好ましくないという思いがあるかもしれませんが、事が事だけに敢えて掲載したというところでしょうか。 まず、俳優…

「右派雑誌」の言説

哲学系ユーチューバーじゅんちゃんの動画に編集者・広告研究家の早川タダノリさんが出演し、安倍氏銃撃事件後の「右派雑誌」の記事(電車中吊り広告)や右派論壇について話をされていて、興味深かったです。この種の雑誌は見出しだけ、新聞の紙面広告で目に…

「即時停戦は『正義』か?」を読んで

ロシアがウクライナへの侵攻戦争を始めて半年になります。この間も関心を失ったわけではなく、報道を気にしてきたつもりですが、当初のようにどんな些細なことでもキャッチしようとする気持ちが薄らいだことは否定できません。それでも、身元が分からずに亡…

参院選 内田樹さんの記事2つ

「内田樹の研究室」に昨日(6月19日)付で2本の記事が掲載されていて、興味深く読みました。1本めの『週刊金曜日』に10日前に寄稿したという記事には、「おっ!?」と思いました。 昨年秋の衆院選について、個人的には、自民党が選挙前に総裁選を設定し、メデ…

「外国離れ」と「日本離れ」

「英語力「112カ国中78位」の日本で広がる外国嫌い」という記事を読んだ。タイトルで言う日本人の英語力と外国嫌いがどれほど相関するかはわからない(話のとっかかりに思える)が、今、外国人識者が日本という国をどう見ているのか、英語力78位とか「一流」「…

もしもし、枝野さん…?

選挙で立憲民主党(その前身の民主党)とその候補者に投票したことはない。それでも野党勢力の主軸にある政党はこの政党だ。次の総選挙で議席を増やすのはまちがいない。しかし、最近の党代表の様子を見ていると、その発言内容とは裏腹に、政権交代できる、…

1940年 幻影の東京五輪との類比

先週から始まったオリンピックは1964年の東京大会と比較されることが多い。実際、今大会の誘致に動いた人々の頭の中は、「1964年の東京大会を、もう一度」だったし、自分も何となくそう思ってきたが、時代の前後を含めれば、本当に比較すべきは、64年大会で…

「土地規制法案」は廃案にすべし

外国資本による土地の買い占めが云々…と喧伝された「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案」――うんざりしてくるので「土地規制法案」と略するが、6月4日に参議院に送られたばかりのこの法案、明日16日の…

五輪とダブル・バインド 考

毎日新聞の日曜版のコラムを楽しみにしている。キッチュこと松尾貴史さんの「ちょっと違和感」も毎回スパイシーで痛快だが、心療内科医師の海原純子さんの「新・心のサプリ」もいろいろと考えさせられる。 海原さんによれば、最近ストレスがたまって気持ちが…

パソコン故障につき……

パソコンが壊れてしまい、古いパソコンを代用しているが、これも入力キーに欠陥があり、飛車・角・香車・桂馬抜きで将棋をさしているようなもどかしさがある。前のパソコンがうまく修理できて、データが元にもどってくれるとよいのだが……。 平素よりつたない…

「余計なこと」を考える

元ラグビー日本代表でスポーツ教育学や運動学を専門とされている平尾剛(つよし)さんはアスリートの立場から東京五輪開催に異議を唱えてきた。4月18日更新の記事でもこう述べている。引用をお許し願いたい。スポーツ、これからどうなる? | みんなのミシマガ…

「日本に来ないでください!」

コロナ感染の第4波突入に東京都知事は「東京に来ないでください」と言っていたが、4月19日付の水島朝穂さん(早稲田大学)のホームページに、ドイツ語圏新聞に向けた東京五輪の中止を呼びかけるアピール文(4月2日付)の紹介がある。自身を含む20人の日本の…

若者搾取 あるいは 世代循環の危機

オーストリア在住の研究者・中川まろみ氏の4月10日付の記事が「現代ジャーナル」にある。おぼろげに感じていたことを文字(文章)にしてもらったような感じがある一方、それは気重な “事実” の指摘でもある。「シニア世代」が「若者世代」を搾取する…研究業…

「気候正義」と「静かな暴力」

気候変動対策(脱炭素社会)に関する江守正多氏(国立環境研究所)の論考を読んだ。2月26日にオンラインで開催された気候変動対策を検討する審議会で「将来世代」として意見を述べた高校生や大学生の若者世代の発言に共感し、触発されたことが綴られている。…

小川淳也さんの「千本ノック」

小川淳也・衆議院議員の動画「千本ノック」を見ている。小川さんが一般からの素朴な質問に答えるシリーズで、まあ、まったく選んでいないわけではないと思うが、基本的に寄せられた質問に逐一答えるスタイルをとっている。 「八方美人」でいた方が議員として…

忘れちゃいけない 学術会議の任命拒否

2ヶ月ものあいだ臨時国会の開会要求を無視し続け、10月下旬にやっと始まった「臨時国会」は、今週末の12月5日で閉会を迎える。コロナ感染が底知れぬ拡大状況にある中、会期の延長を求める声をまたしても無視して、である。 昨日、スガは都の要請を受け、Go t…

「為政者の度量」 小島毅さんのコラム

小島毅(つよし) さん。東京大学大学院教授で専門は中国思想(儒教史・儒教思想?)。文庫版のご著書を昔読んだ記憶がある(……それ以上書けないのが情けない)。 10月21日付京都新聞にその小島さんの「求められる為政者の度量」というコラムが掲載されている…

森永卓郎さんの提言

「のら猫寛兵衛」さんのブログを毎回楽しみにしている。その中で先回と今回続けて、ラジオ番組*での森永卓郎さん(経済アナリスト 獨協大学)の話が引用・紹介されていた。元音声にあたってみると実に興味深い内容だった。森永さんによると、現在コロナの第…

周防正行さんのメッセージ

東京都知事選の投票日が迫ってきた。東京都知事選が今の国政を転換させる第一歩になるとすれば、まず、有権者の方には、都に在住する人々のために仕事をする人を選んでほしいという当たり前のことを実行していただきたいと強く願う。東京が変われば国政も変…

小田嶋隆さん「口論の多い食卓のほうが健康的」

また日経ビジネスの小田嶋隆さんのコラム「ア・ピース・オブ・警句」を読んでいる。6月5日付「荒れるアメリカがうらやましい理由」の末尾に、先回の“白黒をつけない政治”につながる話を見た(ような気がした)。一部引用させていただく。荒れるアメリカがう…

「学歴詐称」 白黒をつけない政治

小池百合子・東京都知事の「学歴詐称」問題が喧しい。これを扱った記事はあふれているので、ここでは特に取り上げないが、「公人」たる東京都知事の学歴にウソがあるとすれば問題なのは確かだ。人によっては、他人の学歴なんぞに興味はないし、カイロ大学を…

平野啓一郎「政治について語ること」

平野啓一郎さん。作家。1999年、大学在学中に芥川賞を受賞。生まれは愛知県で、2歳から高校時代までを北九州で過ごしていたとは知らなかった。作品を書店で手に取ってみたこともあるが、そこまで……だった。よくTwitterでの発言を目にしていたが、5月25日付「…

小田嶋隆さんのコラム

小田嶋隆さん。自称「引きこもり系コラムニスト」。森本あんりさんの『異端の時代』(岩波新書 2018年)を読んだのをきっかけに、小田嶋さんが森本さんの同級生であることを知った。森本さんは別の著書『反知性主義』(新潮選書)の中で、小田嶋さんを次のよ…

内田樹さんの提言

文春オンラインに「「無策な安倍政権」をいまだに支持し続ける人がいる理由――内田樹の緊急提言」が昨日付けで配信されていることを知った(もともとは『週刊文春』2020年4月9日号の記事らしい)。一週間前のインタヴューの記事に重なる部分もあったが、こち…

藤原辰史さんの寄稿(B面の岩波新書より)

岩波書店の「岩波新書編集部 B面の岩波新書」に藤原辰史さん(京都大学人文科学研究所)の特別寄稿文「パンデミックを生きる指針 歴史研究のアプローチ」があることを知り、読んでみた。 www.iwanamishinsho80.com 藤原さんは大変ユニークな研究をされてい…